教育のこれからは“グローバル化”でいいのか?

2015年5月5日 § コメントする

“グローバル教育”“国際理解教育”などに関する動きが盛んになってきている近頃ですが、これらの取り組みを

「日本人が海外で活躍するための教育」

という意味で語ってしまってはいけないと、私は思っています。

文部科学省のスーパーグローバル大学等事業では以下のような説明ですね。

若い世代の「内向き志向」を克服し、国際的な産業競争力の向上や国と国の絆の強化の基盤として、グローバルな舞台に積極的に挑戦し活躍できる人材の育成を図るため、大学教育のグローバル化のための体制整備を推進する。

「内向き志向」はよくないのだ。

という表現をすることで、日本国内に目を向けずに、海外に(のみ)目を向けることが大切なんだ!という誤解を生んでしまうことが懸念されます。もう少し説明します。

「自国外で自分の力を発揮できる力」を育てることが目的であるとすれば、それは「自国内で自分の力を発揮できる力」を持っていることが前提です。自国内で自分の力を発揮できないのに、自国外で発揮できると思うのには無理があります。

たとえば、語弊を恐れずに単純化した例で説明します。言語コミュニケーション力を例にとってみましょう。

「自国内で自分の力を発揮する力」 = 日本語コミュニケーション力

「自国外で自分の力を発揮する力」 = 外国語コミュニケーション力

どちらか一方でいいでしょうか?グローバル人材を育てるのであれば、どちらも必要、ですね。日本語でもしっかりコミュニケーションを取れる。そして外国語でもしっかりコミュニケーションを取れる。この両方の力を持ってこそ、グローバル人材です。

どちらも、必要なんです。

そして、もうひとつ。3つ目の力が必要なんですよ。

それは、

「日本語と外国語の間の通訳をする力」

です。日本語と外国語をそれぞれ話せればいいのではなく、その間を行ったり来たりする力が大切なんですね。そして欲を言えば、他の人たちが行ったり来たりできるようにサポートできる(橋渡しする)力が。それが、異文化感受性、そして文化間コンピテンスという力です。

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大学におけるスーパーグローバル事業、そして企業におけるグローバル人材育成、どちらもこれからが楽しみな動きですが、視点に偏りが出ないよう進めてほしいと願っています。

内向きも大切。

外向きも大切。

その間に立つのも大切。

行き来してこそのグローバル力です。

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指輪ホテルという生き方

2015年5月2日 § コメントする

職業はまったく違う。

得意なことも違う。

暮らしているコミュニティも違う。

ふるさとも違う。

共通の知り合いはほとんどいない。

普段会うこともない。

とくに話すこともない。

そもそも両手の指に余るほどしか会ったこともない。

なぜこの人を大切な友人だと自分が思うのか、4年半近くにもわたり時々考えをめぐらしてきた。そんな友人がいます。羊屋白玉さんという劇作家です。彼女が Mesujika 雌鹿 DOE という作品を創っていく過程で出会って以来の縁です。

はっきり言って、東京に行ったからといって何故この人にまた会おうと思うのか、私自身その度に不思議に思いながら、一緒に飲んだり食べたりしてきました。

それでも、出会ってからこれまでの4年半近くの中で、少しずつわかってきたことがあります。それは、あえて言うならば、私と彼女との間に、生き方への信条に共通性があるということ。そしてその信条の体現に類似性があるということ。

暫定ベストで生きる

創らずにはいられない。

そして、バイリンガル ・・・二つの言語を行き来するのではない。誰かに通訳してもらうのでもない。その狭間で、その間で、そのまま生きる。言い訳もなく、恨み言もなく。

そんなようなこと。

彼女の生き方、創作のDSCN0987仕方、発表の仕方、すべてが暫定ベストである。そういうところに私は共鳴するのだと思います。創る過程も、ぶつかった壁も、立ち尽くしているときも、すべてが大切で、そこから生まれる作品は、だからこそ奇跡なんだろうなと想像するわけです。

もっと若いころの私は、完璧でないものを人様に出してはいけない、と思っているところがありました。よく言えば真面目、悪く言えば不必要に頑固。そんな私も年齢を重ねるにつれ、完璧なんていうものはきっとないのだということに気がつきました。完璧じゃないから、という言い訳をするのではなく、今持てる自分の暫定ベストを出す。謙虚な気持ちを持ちながらも、えいやっと、堂々と出す。そんな生き方をできるようになってきました。

ひつじちゃんとは、そんなところが似ているのかなぁ、と思います。だから、また会うんだろうな、と。

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