2020年2月の帰国中止(延期)についてのご報告

2020年2月20日 § コメントする

本来ならば、ちょうど今頃はミネアポリス空港にいるはずでした。今回の日本への帰国を中止(延期)とした件について、ご報告します。

招聘をいただいていました各方面関係者のみなさま、そのほか開催予定であった勉強会にご参加を決めてくださっていたみなさまには、それぞれ誠心誠意コミュニケーションを取らせていただき、前向きにご了承をいただきました。お一人お一人のご理解と、あたたかいお言葉が心に沁みました。

一年に数回、日本へ帰国していますが、帰国は私にとって大きな楽しみであり、その度に多くの方とともに学ぶ機会を持つことは、私の大きな喜びです。帰国のキャンセルは、私にとって簡単な決断ではありませんでした。決断に至った背景をここに共有したいと思います。

これまで、コロナウイルスの被害状況についての情報は、早くから各方面の情報をモニタリングしていました。一般メディアのみならず、日本政府、アメリカ政府の発表、日本のアメリカ大使館の情報、アメリカのCenters for Disease Control and Preventionの情報、他にも、カナダ政府やイギリス政府の出している日本への渡航アドバイザリーなど、かなり多方面の情報発信を検討してきました。 その上で、今日本へ渡航するのは、できることなら避ける方が良い、という結論に達しました。

私がその決断をした先週のタイミングでは、世論的には「イベントをキャンセルするなんて迷惑だ」という考え方も多くあったと思います。ここ数日で、東京マラソンなどをはじめ、イベントの部分的、全体的なキャンセルが検討、発表され始めていますね。

大きなイベントとなればなるほど、キャンセルするリスクは大きいことと思います。ウイルスへの対応に関して、多様な考え方があることも承知しています。その上で、私が私自身の帰国をキャンセルした理由は2つです。

① 講師である私がキャンセルすることで、イベント自体がキャンセルとなり、関係者および参加者の移動を中止することができる。

この考えに関しては、仕事をキャンセルすることがプロとして無責任かどうか、という議論も可能かと思いますが、私はプロとしての自分自身の評判への影響を心配するよりも、私が持てる影響力(それが小さな影響であったとしても)を人の外出・移動を最小限にすることに使うという決断をしました。私の研修にご参加予定だった方の中には、すでに新幹線や飛行機のチケット、宿泊先等を手配済みだった方もあったかもしれません。ご迷惑は承知でしたが、それでも、私は関係者各位の外出・移動を止めることを優先したいと考えました。

私がキャンセルを決めたタイミングでは、表向きには「講師の都合により中止」という名目での中止発表となりました。今後、被害状況がさらに明確になるに従い、様々なイベントの開催者側に携わる方が、公共の安心安全のために必要な決断をしてくださることを希望します。

② 私がウイルスに感染してアメリカへ持ち帰ってしまうリスクを排除する。

これには、個人的な理由と、プロとしての理由が含まれます。まず、個人的な理由としては、私には身近に自己免疫不全を持った個人が複数います。ウイルスに感染した際に重症化する可能性の高い人たちです。その人たちにウイルスを持ち帰ってしまうことは、私にはできません。

プロとしての理由は、日本から帰国後の私のカレンダーには、アメリカ国内での仕事がびっちりとスケジューリングされています。多くのクライアントの前に立って研修をおこなったり、コーチングやコンサルティングのセッションを提供する立場として、相手に「アキコは日本から帰国したばかりよね。ウイルスに感染している可能性はないのかしら?」と、不安に感じさせながら仕事をすることになります。常々、クライアントとともに安心安全な環境、学びの場をつくることを何よりも大切にしている私にとって、クライアントを不安にさせながら仕事をすることは、選択できませんでした。

ここまで、私が今回の日本への一時帰国をキャンセルした理由について書きました。これは私の考え方であり、違った方針の方もいらっしゃることと思います。どうぞ、メーカー亜希子の個人の姿勢、考え方として、お受け取りいただけましたら幸いです。

アメリカでもインフルエンザが流行しています。私も身も心も引き締めて、健康第一で過ごしたいと思います。どうぞ日本のみなさん、その他各国にいらっしゃるみなさんも、よく体を休め、よく栄養を取り、情報を見極め、出来る限りの安心安全の中で過ごしましょう。

今月お目にかかれなかった日本のみなさんとは、ぜひ近いうちにお目にかかる機会が持てますように、私も調整をしていきます。次の出会いと再会を楽しみに。

1月に帰国した際に訪れた草間彌生ミュージアムでの一枚。
1月に帰国した際に訪れた草間彌生ミュージアムでの一枚。

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