金融サービスと異文化感受性

2017年10月6日 § コメントする

どんな関係があるの?・・・って、思いますね。

それが大アリなのです。

異文化感受性を育てることで、なんの得があんの??

という質問の返答は、何通りもありますが、その例として、今日は普段のお仕事例をひとつ、ご紹介したいと思います。

IDC in Japanese

今週は、ある金融サービス業界のフォーチュン500企業に、お仕事に伺っていました。目玉は、異文化感受性アセスメント(IDI)認定セミナーを実施したこと。

以前もこのブログに書きましたが、私は自分自身がIDI認定アドミニストレーターであるだけでなく、新しいアドミニストレーターをトレーニングし、認定する役割も担っています。そのIDI認定セミナーには、2通りの開催ルートがあります。ひとつは、誰でも参加申し込みのできる

「パブリック認定セミナー」

そして、もうひとつは、一つの組織が自組織内で20名以上の参加者を持つ場合に開催をリクエストできる、

「プライベート認定セミナー」

です。今回の金融サービス企業は、この「プライベート認定セミナー」を開催したわけです。

 

プライベート認定セミナーの数は多くはありませんが、私は独特の面白さがあり大好きです。何が面白いのだと思いますか?

 

それは、参加者全員がひとつの組織に属しているため、

異文化感受性を育てよう!という取り組みが、その組織の経営戦略に密着している

からです。

 

今回のクライアントの場合、3年前からいくつかの新しいミッションを掲げ、CEOを含めるトップ経営陣が先頭に立って、精力的に組織変革をおこなってきています。ミッションを3つほどご紹介しましょう。

 

1.才能を多様化する。

同じような知識やスキルを持った人材ばかりを採用するのではなく、様々な文化的バックグラウンドや様々な才能を持った人材を採用し、活用できる組織となるということです。ちなみに、

異文化感受性の低い採用チームは、多様な人材を採用する力が低い

ということが、すでに調査でわかっています。(ひゃぁ~、えらいこっちゃ、でしょ?)

 

2.顧客層を多様化する。

この企業は、創業以来つい近年まで、ある特定のグループに属する顧客を対象として、非常に特化した金融サービスを提供してきました。ここにきて、企業の社会的責任として、そしてそもそも企業としての存続のため、対象とする顧客を拡大する必要が出てきたのですね。

異文化感受性の発達が不十分な人材は、多様な顧客層・顧客タイプに対しての営業力が低い

ということも、わかっています。(ひゃぁぁぁ~~~。)

 

3.インクルージョンの組織文化を育てる。

多様な人材を採用・活用し、多様な顧客を獲得していくためには、組織文化(組織の経営方針や構成等の様々な要素を含む)がインクルーシブである必要があります。多様な人材が自分らしく働ける、すなわち、自分のアイデンティティを尊重されながら、自分の才能を伸ばし、組織のパフォーマンスに貢献できる、そのための土壌を持っていなければならないのですね。

異文化感受性の高い人材は、多様な同僚たちと良い関係性を構築することができ、

異文化感受性の高いマネジャーは、部下により強い信頼感を与えることができる、

ということも、わかっています。(すごいでしょ~~~?)

 

今週のプライベート認定セミナーを経て、自社内に23名のIDI認定アドミニストレーターを擁することになった、このクライアント企業。これからのさらなる組織変容が楽しみです。

 

異文化感受性開発とか、ダイバーシティ(多様性)とか、うちの会社には関係ないよね。

と、感じている経営者も多いものですが、組織の将来性生産性、そしてどんな業界においても、そのパフォーマンスに、大きな影響を与えているんですね。

 

あなたの組織の異文化感受性、育てませんか?ご相談ください。

 

 

現在お申し込み受付中のプログラム

 

~あなたの中にすでにある「内なる多様性」の声を聴く力~
ココロインテリジェンスを育む勉強会(ミニミー編) 12月12日(火)

リフレッシュ&リチャージ!異文化感受性を育てる2Dayワークショップ 12月8~9日(金・土)

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脳が無意識のうちに判断をミスしてしまう!?

2017年6月27日 § コメントする

異文化感受性アセスメント(IDI)、博士研究にも使ったツールです。

普段のお仕事でも、クライアントに活用してもらっています。

このツールのおもしろいところは、まぁ、たくさんあるのですが、

ひとつは、

自分自身が、「自分の異文化感受性はこのくらいだろう」

と、自己診断する、自己評価レベルと、

IDIが、「あなたの異文化感受性は今、発達プロセスのここにいますよ」

と、知らせてくれる現在時点レベルとの、

2種類の結果が出る、というところです。

masks

99%の人には、この自己評価レベルと現在地点レベルにギャップがあるんですよ。実は、このギャップ、自然なことなんですね。

ダニング・クルーガー効果という概念をご存知でしょうか?

こちらの記事に、脳科学者の池谷裕二さんが上手に説明してくださっていますが、私たち人間の多くが、自然に自分の能力を過大評価する傾向にある、ということがわかっているんですね。

前述のとおり、このダニング・クルーガー効果は、異文化感受性においてはほぼ99%の方にあらわれます。

この効果の面白いところは、ダニング=クルーガー効果について初めて知った人の多くが「たしかに自分を勘違いしている人はいますね。身近な人の顔が具体的に思い浮かびますよ」と笑顔で答えてくれることです。つまり多くの人は「まさに自分が該当する」かもしれない可能性に思い至らず、自分を棚に上げて、他人に例を探し始めるのです。

と、池谷裕二さんが書いているとおり、IDIを活用して異文化感受性研修を行っていても、これと同じ場面に頻繁に遭遇します。

自分のことは、自分が一番よくわかっている!

と、私も信じたいのはヤマヤマですが、どうやら人間の脳は、そういう作りになっていないようですね。客観的なツールを活用して、謙虚に自分自身の成長に取り組み続ける姿勢が大切なのだなぁと、思います。

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この夏、IDIを受けてみたい方、どうぞリトリートにいらっしゃってくださいね。今回は女性のみの2日間のプログラムです。

 

誰のために、何のために、研究するのか?研究デザインのこと

2017年6月21日 § コメントする

「異文化感受性」⇔「コーチング・コンピテンス」

という相関関係や因果関係を量的研究をとおしてに証明できれば良いですが、今回の研究では、私はその選択をしませんでした。

理由は主に2つ。

表の理由は、

研究が未開発なテーマなので、まず足固めとなる質的研究が必要である、と考えたこと。

裏の理由は、

プラクティショナーにとって説得力をもって実感できる情報を提供したかった、ということ。

これは、私自身が、

コーチングの実践者としての立場から見た場合も、

異文化感受性トレーナーの立場から見た場合も、

統計学的にどうこう言うよりも、ナラティブを取る方が現場の実践者にとって説得力がある、と予測したからです。

今回の私の研究デザインは、量的データも活用しながら、質的データの分析に重点をおいています。

blog

私の研究でわかったことを、コーチのみなさんが、ご自身の日々の仕事の中に当てはめてみたとき、

「あぁ。なるほど。わかるわかる!」

と、イメージしてもらい、プロコーチとしての異文化感受性開発の重要性を感じてもらえなければ、私の何年越し?(初めて日本のコーチに異文化感受性を紹介した・・・しようとした・・・のは2004年頃?のことだったので、もうそろそろ13年越し?)の取り組みは、伝わらないのです。

コーチには、高い異文化感受性が必要である。

私のメッセージの出発点はここです。

先日の「コーチ自身の異文化感受性は、コーチングに影響を与えるのか?」はこちらから。

コーチ自身の異文化感受性は、コーチングに影響を与えるのか?

2017年6月18日 § 1件のコメント

このテーマに焦点を当てた学術的な研究は、これまでありませんでした。私の博士論文研究が、世界で第一号です。

IDC in Japanese

研究を通してわかったこと、一番手短にご報告します。いいですか~。言いますよ~。

その①:

経験豊かなコーチ、尊敬されているコーチ、MCCを持っているコーチ・・・が、必ずしも高い異文化感受性を持っているわけではない。

驚きましたか?どうでしょうか?

その②:

異文化感受性の未発達なコーチには、コーチングをする上で決定的な盲点がある。(しかも、いくつもある。)

どうでしょうか?しかも、それらの盲点に、本人はほとんど気が付かない、気が付けない、としたら・・・?

こんなようなことについて研究をして、先日無事に博士号を取得することができました。たくさんの方々からの応援を励みにし、たくさんの世界中のコーチのみなさんに調査に参加していただいて、ようやく成り立った研究ですので、このブログでもこれから少しずつわかったことを報告し、還元していきたいと思います。

様々な(すべての)職業に当てはまることでもあるのですが、特にプロのコーチのみなさんには、ぜひご興味を持っていただければ嬉しく思います。

続きはまた後日。

 

一週間、立ち止まってみて。

2017年6月1日 § コメントする

博士論文研究のディフェンスを無事終えて、一週間が経ちました。

こんな時間を過ごしたのは、何年ぶりでしょう。10年ぶり以上かもね。

なーんにもしてない。

 

まぁ。正確に言えば、もともと入っていたコーチングセッションや会議はこなしているわけですが、私としては、これはもう、なーんにもしてない領域ですよ。

のんびり、ぼけ~~~~~っと。

久しぶりに家族のために少し丁寧に食事を作ったり、

庭の草むしりをしたり、

わんこを長い散歩に連れて行ったり。

そんな私を見て、夫は

「いいんだよ~、これまでノンストップだったんだから~」

と、のんびり構えてくれているので、すっかりのんびりしています。

春から夏に向けて次々に庭に咲く花たちに、目を向けることのできる時間。

感謝しながら写真に残しています。

人生最大級のProcrastination(先延ばし)、完了しますっ!

2017年5月23日 § 2件のコメント

今更・・・のようで、報告するのが恥ずかしい気もするのですが、

正式に博士号(Ph.D.)が取得できそうです。

スライドショーには JavaScript が必要です。

母がミネソタまで来られるうちにと、2年も前に卒業式に前倒しで出席してしまったので(上の写真)、そのときの写真を見てくださった方々や、「もう当然学位取得してるころでしょう」と踏んでくださっている方々には、誤解を招いてきました。

博士号を取得するには、取得単位を全て取り終え、博士研究調査を終えてからも、たくさんのステップがあって、私はその最後のステップである「最終口頭試験(いわゆる“ディフェンス”)」を終わらせずにいたのです。

ここまで放ってきてしまったので、もういい加減に完了させるべし。

ということで、博士論文の体裁を改めてすべて整え、明後日、水曜日にディフェンスを受けられることになりました。25分間の公開プレゼン、プレゼンに来てくれたみなさんとの10分間の質疑応答、その後は教授たちとの密室での(恐怖の!?)口頭試問が約1時間半。

水曜日の午後3時には、この長い長い道のりに、いったん区切りを付けられるはずの段取りです。

【勉強会】コーチング研究最前線 『異文化感受性がコーチング・コア・コンピテンシーとなる日』

2016年4月25日 § コメントする

多様性社会を生きる力「異文化感受性」の研究を始めて、もうすぐ20年が経ちます(早っ、笑)。

 

ここ数年は特に、プロコーチの異文化感受性について研究しています。私自身コーチとして仕事をしていますので、コーチングの実践者としての視点と、異文化感受性研究者としての視点との両方を持って取り組んでいます。自分で言うのもなんですが(笑)、世界のコーチング研究の最前線のお話です。

 

コーチをはじめ、様々なプロフェッショナルにとって、なぜ異文化感受性を育てることが大切なのか

 

という話、聞きたい!という方、いらっしゃいますか。

adults & youth around earth

私はアメリカ在住ですので、アメリカ国内で、レクチャーをしたり、ワークショップをしたり、ということを普段はしています。アメリカ国内外のコーチコミュニティーの中でも、異文化感受性に関心を持つ方が増えてきました。それにともなって、昨年あたりから特に、世界中のコーチの方々とお話する機会がどんどん増えています。ICF(国際コーチ連盟)のオンラインセミナーに呼んでいただいてお話したことなどもありますが、なにがもどかしいってね、

 

英語での実施では日本のみなさんに情報がなかなか届かないんです!

 

日本語で、オンラインで、ナレッジ共有をする機会をつくれば、ご興味ありますか?

コーチとして仕事をしておられる方はもちろん、それ以外の方も歓迎します。

 

各回60分で、2回にわけて、段階的にお話しようかと思っています。

5月の金曜日の朝(6:30~7:30)、お仕事前の清々しい時間帯に、いかがでしょうか。

 

2回シリーズの初回を5月20日(金)に設定したいと思います。まずは、異文化感受性ってなに?という基本の問いを押さえるために、異文化感受性発達理論の基礎からお話します。

 

2回目は27日(金)を予定しています。

 

2回目の会ではいよいよ、コーチの異文化感受性の発達レベルが、コーチングにどのような影響を与えるのか、ということについてお話したいと思います。私自身の研究から得た所見をふんだんにご紹介したいと思っています。みなさんからの質問も受け付け、より踏み込んだディスカッションをしたいと思います。

 

参加費は、回毎に3500円とします。

 

以前に私のセミナーなどに参加くださった方で、異文化感受性発達理論の基礎をすでに理解されている場合は、2回目(5月27日)のみのご参加でもかまいません。

 

お支払い方法は、銀行振り込みです。お申込みいただいた方に、振り込み先をお知らせいたします。一回ずつ(3500円)のお振込みでもかまいませんし、二回分(7000円)まとめてお振り込みいただいてもかまいません。(ただし、一度お振り込みいただいた後の返金はご容赦ください。)

 

勉強会の実施方法については、お申込みの人数により、スカイプ、もしくは電話会議システムを使用します。

 

【勉強会】コーチング研究最前線 『異文化感受性がコーチング・コア・コンピテンシーとなる日』

〈一回目〉 5月20日(金)午前6:30~7:30 『異文化感受性発達理論の基礎』

〈二回目〉 5月27日(金)午前6:30~7:30 『コーチをはじめ、様々なプロフェッショナルにとって、なぜ異文化感受性を育てることが大切なのか』

 

参加ご希望の方は、akiko@interculturalist.com まで、下記の5つの項目をメールにてご連絡ください。メールのタイトルに、「コーチング研究最前線・参加申し込み」とご記入いただければ幸いです。

 

① 氏名(フルネーム):

② ご職業:

③ 電話番号(システムトラブル時、緊急時にのみ使用します):

④ スカイプ名:

⑤ 参加希望の回:

 

お申込みをお待ちしていますね。

 

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