これからのリーダーに必要な5つの力とは?

2014年11月24日 § コメントする

前回は、多様性(ミクロ&マクロダイバーシティ)を活かすリーダーが必要な時代です!というお話について書きました。

今日は、そんなリーダーになるために、そんなリーダーであるために、必要な5つの力を紹介します。あなたがどんな職業に就いているとしても、これら5つの力が備わり、さらに育てられていくことで、自分自身の仕事パフォーマンスが上がるだけでなく、リーダーとしての影響力や牽引力が強まります。さらに言うならば、リーダーとして、ともに働く仲間として、さらに愛される存在にさえなると私は思っています。

another-perspective-998832-s

 

 

 

リーダーに必要な5つの力

① 自分を活かす力
個人差(パーソナリティ)と文化差(カルチャー)に目を向ける

② 周りの人を活かす力
チーム構成としての多様性に目を向ける

③ 全体と部分を見る力
ズームインとズームアウトの視点を行き来する

④ 学習をデザインする力
学習デザインの3か条を実践する

その一:効果的な「学習コンテクスト」をデザインする。
その二:効果的な「学習プロセス」をデザインする。
その三:効果的な「学習コンテンツ」をデザインする。

⑤ 複雑性と不確実性の中で生きる力
異文化感受性を開発する

以上の5つの力です。

たとえばキャリアコーチをつけて自分自身のキャリアUPに取り組む際や、すでにあなたが要職についているのであればエグゼクティブコーチをつける際に、ぜひこれら5つの力の開発を意識してほしいなぁと思います。私のコーチング経験上でも、なんだかひと皮むけたな!という変容(変身!?)をするクライアントは、この5つの力を格段に上げた人たちだなぁと思いますよ。

 

プロコーチの異文化感受性

2014年11月14日 § コメントする

やっと。やっとそういう時期が来ました。
1997年に異文化感受性発達理論に出合って以来、その重要性について様々な場で伝えようとしてきましたが、正直なところ、ほとんどの方が無関心でした。無関心、というと御幣があるかもしれません。あえて言うならば、ほとんどのみなさんの反応は、

「???」

という感じでしたね。グローバル社会で生きる上で、そして多様性社会で生きる上で、異文化感受性がどのような役割を果たすのか、なかなか興味を持ってもらえない時代が15年以上も続いたことになります。
私はコーチをしています。自分がしているコーチングという仕事、そしてその業界を良くしたいと思うのは私にとっては自然なことで、私がコーチングの世界で異文化感受性開発の重要性について話をしようといろいろなコーチにアプローチを始めたのが、日本国内では2004年、日本国外では確か2005年に初参加したICF(国際コーチ連盟)大会でだったかと思います。

あれから約10年。今年2014年、少し動き始めたのでしょうか。

ICFには現在、16ICFコミュニティ・オブ・プラクティス(CP)というグループがあります。CPとは、コーチングという仕事の中で、なにかに特化したタイプのコーチングをしている人たちや、特定のトピックに関心を持っている人たちがコミュニティを作り、定期的に勉強会やミーティングの場を持つという仕組みです。

その中のひとつ、「Cultural Competency in Coaching(コーチングにおける文化コンピテンシー)」というCPが、この11月のゲストプレゼンターとして私を招いてくれたのです。現在進めている博士論文研究の一部について、

Intercultural Competence in Coaching: How does your level of intercultural competence affect your coaching? Does intercultural competence matter at all?(コーチングにおける異文化コンピテンス:コーチの異文化コンピテンスがコーチングに与える影響とは?なぜ異文化コンピテンスに目を向ける必要があるのか?)

というタイトルでお話しました。

カンファレンスコールを使ってのプログラムでしたので、コーディネーターの話によれば、13カ国から36人ものコーチが参加してくれていたそうです(残念ながら日本からは0)。1時間のはずのプログラムが、Q&Aを延ばして欲しいというリクエストにより、急遽2時間までに及びました。

その後も、何人ものコーチが世界中から次々にメールでいろいろな感想や質問を送ってくれています。その中には、現在ICFでリーダーシップをとる立場にある方や、過去にICF会長を務めた方も何人か含まれています。反響があることが、本当に本当に嬉しいです。関心を持ってもらえた、コーチングの世界の役に立てるかもしれない・・・。

異文化感受性開発という仕事をしながら、コーチングにおけるコーチの異文化感受性発達の重要性について研究をしていますが、しっかりと研究の面からも役立つナレッジを生み出していかなければ!と、気持ちもあらたになった機会でした。

がんばらなきゃね~。

異文化感受性発達理論との出合い

2014年11月1日 § コメントする

少し、私自身のことを書きたいと思います。

名前が「メーカー亜希子」というものですから、「100%日本人ですか?」なんていう質問を受けることもありますが、はい、日本人です。「メーカー(英語表記はMaeker)」というのは、ドイツ系アメリカ人の夫の名前です。日本の戸籍上は旧姓を残していますが、普段は夫と同じ名前を使っています。

生まれてから大学を卒業するまで、日本で育ちました。大学卒業後、もともとは日本語教師、そして英語講師、その後も翻訳、通訳といった、言語を扱う仕事をしていた私ですが、それと平行して異文化コミュニケーション学という学問に興味を持ち、専門的に学び始めてから、かれこれ17年以上が経ちます。研究者としては、まだまだ新米の私ですが、研究活動と同時に、いくつもの国際教育プログラムや留学プログラムに関わったり、異文化トレーニングの講師としても活動するなど、国際理解や異文化理解といったことについて、深く考える毎日を過ごしてきました。その中で、数々のすばらしい学者たちに出会い、すばらしい論文にも触れてきました。すばらしい異文化トレーナーにも出会ってきました。

グループ研修という形態をとった「異文化トレーニング」をする中で「コーチング」と出合い、専門のコーチトレーニングを受けたのち、「異文化コーチング」を専門とするプロコーチとして仕事をするようになりました。クライアントのみなさんや、セミナーの参加者のみなさん、コーチ仲間たち、さまざまな方々と関わりながら、異文化コミュニケーション学の知識はもっと広く役に立てられると確信しました。

なかでももっと広く役立てられるはず、と最も強く感じたのが「異文化感受性」という概念でした。

理論についてお話しするというふうに書くと、なんだか堅苦しい内容なのかと感じられるかもしれませんが、それがそうでもないのです。学術論文にすると小難しく聞こえる話でも、本来は私たちの日常生活の中にいつも見え隠れする小さな出来事や、ちょっとした会話、人間関係のあり方、もしくは私たちのいだく感情などに関わるお話なのです。

ここでは、学術的な視点からの情報を提供するだけではなく、異文化感受性というコンセプトや、異文化感受性を育てるということが私たちの毎日の生活にどのような影響をもたらしてくれるのか、といったことを広くみなさんに知っていただくということを念頭に、書き進めていきたいと思います。

Where Am I?

異文化感受性を育てるブログ の「コーチング」タグアーカイブを表示中です。